「세상에 공짜는 없다.(セサンエ ゴンチャヌン オップタ)」
意訳すると、「世の中にタダ(無料)はない」。
韓国で暮らしていると、日本にいた時よりもよりしみじみ感じるこのフレーズ。
在韓9年目の私が、「세상에 공짜는 없다. (世の中にタダはない)」と感じるきっかけとなった経験談について、4件ほどまとめてみました。
最初に結論を言ってしまいますが、私がそれらの経験から学んだことは、「世の中には完全無料のものはない」ということ。
勧誘されて迷ったら「すぐに決めずに一息つこう」、ネットでは「無料」につられてポチッとする前に、「冷静になってみましょう」ということです。
もしも、あなたが無料にひかれて契約するかどうか迷っているなら、または断れないで困っていることがあるなら、参考になれば幸いです。
① ネットワークビジネスの勧誘~急に仲良くしてくる人には注意!~
子供連れで韓国に来たばかりのころ、友達もいないため、毎日子供と二人きりでした。もともと、引きこもりは好きですが、一人じゃないひきこもりは疲れるばかり。
そんなころ、子供を通した集まりで知り合ったママ友。でも、急に仲良くしてくる人には、下心があると言いますか…要注意です。あまり疑いたくないですが、これは悲しい現実。中にはマルチ商法の勧誘や、ネットワークビジネスのお誘い目的のことがあるためです。
私の場合は、ア〇〇イのお誘いでした。「無料マッサージしてもらえるよ」と言われてその人の家にいったら、後から知らない2人が来られて、マッサージだけでなくその会社のサプリや鍋、調理器具の試演を始めました。
結局、マッサージは気持ちよかったし、調理器具たちも素晴らしかったのですが、お高かったのでお断りしました。しつこく勧誘されたわけじゃなかったけれど、たぶん次回は「無料」でもいかないなと。
ただ、ア〇〇イは、まだまだマイルドなほう。巷には「無料体験」や「無料プレゼント」など甘い匂いぷんぷんの勧誘があふれています。「無料ビュッフェ」や子供の学習教材の「無料体験」や「無料セミナー」もありました。いろんなビジネスがあるものです。
もしも、興味があって商品を使ってみたい(契約したい)と思うなら、無料サービスをたくさん受けて構わないでしょう。しかし、その気もないのにあいまいに付き合っていると、絶対に無理が来ます。
② 新興宗教の勧誘~お菓子やコーヒー無制限?で家庭訪問~
熱心な国民性だからかたか、韓国には宗教にも熱心な人が多い気がします。これは、キリスト教にしても仏教にしても、どんな宗教にしても当てはまるなと。
韓国へ来たばかりの話ですが、いきなり知らない人に訪問されることがたびたびありました。当時は古いマンションに住んでいたため、入り口でセキュリティもなく誰でも家のドアの前に来れてしまったわけです。
「ピンポーン」
よくわからずにドアを開けてしまうと、そこから「神を信じますか?」と始まり、お菓子とかコーヒーをくれて日常の話や世間話を始めました。
後から知ったことですが、訪問型の宗教の勧誘は新興宗教が多いです。最初、本当によくわからずにドアを開けていたら、毎週訪問された経験があります。彼らの目的は、宗教の勧誘なのでお金ではないですが、お菓子や飲み物をもらっても正直食べる気にはなれませんでした。
結局、断り続けて、最終的に居留守を使ったら来なくなりました。アジュンマ化した今だったら恐らく…初期の頃は、本当にいろんなことがあったものです。
宗教の勧誘は、道端でもよく行われています。新興宗教じゃない場合も多いのですが、最初はかなりひくでしょう。興味がないならしっかりと意思表示することが大切です。
③ 押し売りも「無料」がたくさん~アジュンマによる宅配牛乳の例~
韓国アジュンマ(おばさん)による営業でよくある話ですが、「○か月無料!おまけつき!」と言いながら誘惑します。
最近の話ですが、宅配牛乳のアジュンマは突然訪問されました。隣の家に宅配に来るついでだったようです。我が家には牛乳大好きの子供がいるため、宅配牛乳について多少興味はあったため、話くらい聞いてみたのです。すると、「1か月無料!これも無料であげる!あれも無料だよ!」といって山のようにサンプルをくれました。
あとでよく考えると、結構高いのがネックでして…やめておこうということに。
ところが、牛乳アジュンマは、隣の家に来るついでに定期的に我が家にもお越しになりました。
無料サンプルをもらい続けるわけにもいかず、「契約しない」とはっきり言ってお断りしました。
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④ 電話の「無料」勧誘~お知らせ系の案内は難易度が高い~
携帯電話にかかってくるお知らせ系の案内は、ほぼ勧誘です(断言)。
しかも、結構表現の仕方がそれらしくないことが多いので、外国人は気をつけなければなりません。
よく聞き取れないのに、契約中の携帯電話の通信社から、それらしい電話がかかってくるのです。
「あなたは、○○に当選したラッキーな人です。無料ですよ。(で、これ契約してね。○○ウォンだよという話)。」
よくわからずに、「はい、はい」とあいづちをうっていると、いつの間にか契約されてしまうことも。早めに気づけば、あとで解約する手間だけで済みますが、そのまま放置しておくと、後で身に覚えのない請求が…ということになりかねません。
このタイプの勧誘は本当に多いので、韓国語がうまく聞き取れない人は気をつけた方がいいでしょう。
⑤ 美容皮膚科の広告~「無料」じゃ終わらないよ~
韓国は美容大国。若い子からアジュンマまで、エステ感覚で皮膚科に足しげくかよって施術を受けています。
美容皮膚科の広告でよくある「ボトックス1+1」(1ショット分で2ショット受けられる)や「レーザー1回無料」。
本当に多いです。しかし、問題は、アラフォーのアジュンマ世代の場合、よほどお肌の管理を徹底してきた人でない限り、「無料」や「1+1」では終わらないこと。
このような美容皮膚科キャンペーンの場合、無料カウンセリングが必須で、あなたに必要な(高い)治療案が提案される可能性が高いです。
私の場合も、やはりカウンセリングで恐ろしく高い見積もりを出されて仰天。そのまま帰ってきました。
「無料」という言葉は奥深い「세상에 공짜는 없다」
「世の中にタダはない」というフレーズから、「無料」について韓国での体験談をつらつらとつづってみました。
みんな「無料」という言葉が好き。私もそうです。それは、当然のこと。
ただし、絶対損したくない人は、一度立ち止まってみて考えてください。それが、本当に「無料」に値するのかを。そして、気持ちが固まったらはっきり意思表示することが大切です。また、一方で有料だからよい点もあると思います。例えば、情報商材は、お金を払った分やる気アップになることもありますよね。
あなたはどう思われますか?